「買い下がり」と「売り上がり」でポジションを作るとは?

このサイトの「トレード日記」を見てくれている人なら、僕がよく「買い下がり」あるいは「売り上がり」でポジションを作っていることに気が付かれていることと思います。

「買い下がり」「売り上がり」とは、一体どういうものなのか?

僕のトレード日記のチャートにプロットした図を見れば一目瞭然なんですが、世に出回っている「トレード本」には「買い下がり」「売り上がり」というフレーズはまず出て来ないので、言葉自体を初めて耳にする方も多いかと思います。

そこで、この「買い下がり」「売り上がり」という手法について、すこし説明したいと思います。

実戦で「買い下がり」「売り上がり」をしているケース

理論だけで話すよりも、僕が実際にトレードしたチャート画像を使った方が真実味が増すと思ったので、「トレード日記」から画像を引っ張ってきました。

「買い下がり」と「売り上がり」の説明用に作った画像ではないのでやや見にくいことと、「トレード日記」用のスキャルピングトレードは、そもそも「買い下がり」と「売り上がり」にあまり向かないトレード手法なんですが、「買い下がり」と「売り上がり」でポジションを作ることの主旨をお話ししたいと思います。

売り上がりのケース

まずは、2017年7月24日のトレードです。
この日の2番目のトレードで「売り上がり」をやっています。

売り上がりのケース

この時は、レートがすべての移動平均線の下にある「下落トレンド」の中にありました。
なので、レートが上昇して来ている最中、「黄色の75MAまでを目途に」ポジションを数回に分けてショートをかけています。

シナリオとしては、75MAで反落するようなら更に下落トレンドが続くと判断できるので、戦略としてはショートなのですが、75MAまで上がらずに下がり始めることも考えられることから、上昇過程ですこしづつショートポジションを入れていったわけです。

結果的にはこのエントリーは、レートが根拠としていた75MAを上回って来た為にロスカットになりましたが、「売り上がった」おかげで、最初にエントリーした位置で全額を突っ込んだ場合に比べて、損失額を低く抑えることが出来ています

「トレード日記」ではない本来の僕のトレード手法では、実際はもう少し長くポジションを保有するので、「売り上がる」にしてももっと値幅を広く取ります。
ここで例に挙げたスキャルピング手法だと、あまり「売り上がり」の効果が発揮できていませんが、理屈はご理解いただけたかと思います。

買い下がりのケース

次に、2017年6月28日のトレードでの「買い下がり」です。

買い下がりのケース

この日の最後のトレードでは、下側のサポートレジスタンスラインでレートが下げ止まるとこのチャートからは一般的に判断される場面なので、そこを目途に買い下がっています。

この時、本来の理想としてはサポレジまで下がるのを待って「底値」で全玉を入れたいところなんですが、そこまで下がる保証はないことから、下がり切る手前から買いポジションを複数回に分けて入れています。

結果は、案の定サポレジ手前で反発したので、その後の上昇に乗り遅れずに済みました。
もちろん、全玉を入れる前にレートが反発しているので、それほど利益が出ているわけではないものの、サポレジまで待っていたら獲れなかったpipsを稼ぐことには成功しています

以上の2つのトレードで、「買い下がり」「売り上がり」がどういった手法なのか、ある程度イメージが伝わったかと思います。

昔、株をしていた頃に転換点を捉える為に使っていた

昔、株をしていた頃に転換点を捉える為に使っていた

この手法は、昔、僕が株をやっていた頃に、

「うまくトレンドの転換点を捉える方法はないものか?」

と、ない頭をフル回転させて考えている時に思い付いた手法です。

株やFXに限らず、トレードをしている人なら誰もが

「トレンドの転換点でエントリーしたい」

と思っていながら、実際にはうまくそのポイントを掴むことが出来ずにヤキモキした経験があるはずです。

僕もそうでした。
前回安値をもとに引いたサポートレジスタンスラインをおおよその目安にしながらも、現実にはそこまで下がらずに反転してしまうケースが多々ありました。

「ここまで下がって来たら買いを入れよう」

と、チャートの前でローソク足が下がって来るのをずっと待ち続けながら、買いを入れようと思った直前にレートが反転上昇し、地団太踏む思いをすることも日常茶飯事でした。

何度かそういう経験をしているうちに、

ある程度、底値の目途はつけたけど、現実にはレートはどこで反転するか分からない。それなら本玉(本来入れようと考えているポジション数)の一部を割いて、下がり切る手前ですこし買ってみたらどうか?

と考えるようになりました。
で、初めてこの手法を使って買いを入れたのが、三井物産株だったことを今でもハッキリと覚えています。

その時のトレード結果がどうだったかは覚えていないものの、自分のトレード技術がまた一段上に上がった手応えを感じたのを覚えています。
ちなみに株だけでなく、FXや他のマーケットでももちろん有効な手段です。

また、分割するポジションの割合は、いろいろ試した結果、「およそ3回ぐらいが適当」と感じるようになりました。
例えば、

「1・1・2」とか、「1・2・3」といった感じです。

もっとも、ずいぶん後になって、江戸時代の米相場をはっていた相場師がほぼ同じ手法を使っていたことを知り、彼らは「2・3・5」といった割合を使うことが多かったと聞きました。

以上の2つのトレードで、「買い下がり」「売り上がり」がどういった手法なのか、ある程度イメージが伝わったかと思います。

「買い下がり」「売り上がり」でポジションを作るメリットは他にも2つある

「買い下がり」「売り上がり」のメリットは3つ

「買い下がり」と「売り上がり」でポジションを作ることのメリットは、「サポレジ手前で反発する場合に乗り遅れない」というだけではありません。
それ以外にも2つの利点があります。それは、

  1. 平均約定レートを下げられる
  2. ロスカットする際の損失額を軽減できる

といったことも挙げられます。

1番目の「平均約定レートを下げられる」というのは、分割してポジションを入れていく際に、最初より後になるほどポジション数を増やすことで実現できます。

そもそもこの手法は、本来想定される底値あるいは高値の手前から「乗り遅れまい」と仕掛けるわけですから、リスクと言えばリスクなんです。
そのリスクを軽くする方法として、「1・1・2」とか「1・2・3」のように、後になるほどポジション数を上げていきます。

こうして平均約定レートを有利にしておけば、その後レートが思惑通りの方向に動いた際、すぐに含み益に転じてくれます。

2番目の「ロスカットする際の額を軽減できる」というのは、もし最初のポジションを入れる際に、いきなり大きなロットで入ってしまうと、想定していたサポレジでレートが反転せずに通り越してしまった場合、ロスカットする際の金額が大きくなってしまいます。

一方、ポジション数を分割しつつ、最後にサポレジ近辺で大きめのロットを入れた場合は、最後に入れた一番大きなポジションのロスカットは「非常に素早い損切り」になるので、損失額を抑える効果もあるということなんです。

最後に、もうひとつ「買い下がり」「売り上がり」のメリットを挙げるとすれば、それは「心理的な負担を軽くする」ことです。

いくらレートはサポレジで反転する可能性が高いといっても、先の分からないことに対してお金を投じるのはやはり精神的な負担となります。
でも、この手法のように、「とりあえず少しだけ買ってみる」というスタンスなら、ずいぶん気分が楽になるものです。

これらのメリットから、僕は「買い下がり」「売り上がり」という手法をすごく気に入って使っています。

トレード日記」の売買履歴を見れば、僕がいつも「細かくロットを入れている」のが分かると思います。
みなさんも、一度その効能を試してみてはいかがでしょうか?

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名前:麦 恵成(バク ケイセイ)
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職業:FXトレーダー兼ファイナンシャルプランナー。元先物取引会社勤務。現(株)エンスージアズム代表取締役。
自己紹介:トレーダー歴はトータルで約20年になります。
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