僕の約20年になるトレード経験からハッキリ言えるのは、「FXでも株でも、得意な通貨ペアや銘柄を持っている方が、断然、トレード成績がよくなる」ということです。
FX初心者の方には、「通貨ペアの得意・不得意」がピンとこないかもしれませんよね。
でも、これが実際には明確にあって、
「トレードしていて、値動きがしっくりくる通貨ペアと、なんか違和感を感じる通貨ペア」
とが、トレード経験を重ねるうちに、誰にでも出来てくるようになるものなんです。
ちなみに僕の場合は、もともと先物取引会社に勤めていて、ゴールドや原油、トウモロコシの先物トレードを得意としていたので、FXを始めるに当たっても、「通貨ペアとの相性」が存在するであろうことは、ある程度予想は出来ていました。
得意な通貨ペアを持てばFXが有利に戦える
僕がFXのトレードをする際に、必ず決めていることがあります。
それは、
- エントリーする際のチャート上の根拠はなにか
- リスクリワードは合うか(基本リスク1に対して2以上の利益が見込めるか)
- 利確、あるいは損切りすべき論理的なポイントはどこか
以上の3点を明確にすることです。
これらが揃ってないと、絶対にポジションを持つことはありません。
特に、エントリーとエグジットするポイントは重要で、チャートの理論に則った明確なものでなければいけません。
チャートの理論に則っていなければ、それはプロのトレードとは言えない、ただ勘に頼っただけのギャンブルです。
勘に頼ったギャンブルでは強者の集まるFXの世界で勝つことは出来ません。
と、偉そうに言っている僕も、かつてはチャートを見ながら、「なんとなく上がりそう」とか「取れそうな気がする」といった、その時の気分でトレードをしては、痛い目にあって来たんですけど…。
ところで、それだけ明確な理論のもとにしか、エントリー&エグジットをしないのであれば、「通貨ペアによる得意・不得意なんて関係なさそう」と思いますよね?
確かに、もし僕たちトレーダーがロボットのように確実に、根拠に沿ったトレードを繰り返すことが出来るのであれば、「通貨ペアによる得意・不得意」なんて関係ないはずです。
ですが、僕たちトレーダーが人間である以上、どうしてもそこに「心の問題」が影響してくるものなんです。
なにしろトレードという行為は、自分の大切なお金が、短時間の間に大きく増えたり減ったりするものです。そんな光景を目の当たりにしながら、機械のように正確に、理論に則った取引を続けることは至難の技だと言えます。
この、トレーダーにとっての「心の問題」については、このあとで詳しくお話しますが、とにかく、「心」とか「性格」によって、値動きの特徴がトレーダーにとっての「合う通貨ペア」と「合わない通貨ペア」を生むんです。
そして、当然ですが、「合う通貨ペア」を見つけることが出来れば、あなたのトレード成績は確実に上がります。
時間帯によって変わる通貨ペアごとの値動き
FXトレードをする際には、通貨ペアごとの値動きの特徴を頭に入れておくことが重要なわけですが、もうひとつ大切なのが、「時間帯による通貨ペアごとの値動きの特徴」です。
例えば、ユーロドルを好んで取引しているトレーダーにとっては、ヨーロッパやアメリカが早朝あるいは深夜となる東京時間(日本が昼間の時間帯)よりも、ヨーロッパとアメリカの市場が開いている時間帯の方が値動きが活発になるので、トレードをするのに適しています。
また、アメリカ時間では、重要な経済指標や要人発言などで、為替レートがチャートの理論を無視して大きく動くことが多々あるので、注意が必要です。
東京・ヨーロッパ・アメリカの各時間帯別の値動きの特徴については、「東京・ロンドン・ニューヨーク。彼らの手口とは?」に詳しく書いてあるのでご覧ください。
通貨ペアとの相性は、あなたの性格で決まる【トレーダーの心の問題】
どの通貨ペアがあなたのトレードに合うかは、「あなたの性格」と「通貨ペアの値動きの特徴」との相性で決まります。
まず、為替市場で取引される人気の通貨ペアの特徴を見てみましょう。
- ドル円:日本人にとって、もっとも「肌感覚」で強弱を感じやすいのがドル円です。値動きも比較的穏やかで、特に東京時間では、トレンドが出にくい代わりに、チャートの理論に近い値動きをしてくれるので、初心者にお勧めです。
- ユーロドル:世界の為替市場で最も取引量が多いのがユーロドルです。ユーロドルの値動きが活発になる欧州時間と米国時間は、世界経済に影響を与える重要な経済指標や要人発言が多いので、この時間帯にトレードする際には注意が必要です。
- ポンド円:日本人FXトレーダーにも人気のあるポンド円は、ボラティリティ(値動きの幅)が高く、短時間に儲けやすい代わりに損失が膨らみやすいのが特徴です。チャートの理論に従わず常に「行き過ぎる」傾向があるので、チャーチストの僕にとっては苦手な通貨ペアです。
FXトレードの基本は「チャートを読むこと」ですが、僕が初心者だった頃のように「チャートを誰よりも詳しく読むことが出来ても、それだけでは勝てない」のが、トレードの難しいところなんですよね。
これは、トレーダー同士の戦いには「心」の問題が絡んでくるからで、その辺りのことは「FXで勝てない大きな理由は恐怖心【論理的なトレードを妨げるから】」で詳細にお話ししてるので参考になさってください。
日本のFXトレーダーが好んで取引する通貨ペアには、上記のように、ドル円・ユーロドル・ポンド円などがあります。
これらの通貨ペアは一概にどれがトレードしやすいというものはなく、「それぞれが持つ値動きの特徴が、それをトレードするトレーダーの性格やトレードスタイルに合うか合わないか」というのが問題です。
例えば僕の場合でいえば、レートがサポートレジスタンスラインを超えて新値を付けると、性格的につい「高い、あるいは安い」と感じてしまい、素直にトレンドに乗っていけないんです。
そういう性格的なことから、「トレード日記」を見てくれている方はご存知の通り、僕がトレードするのは主に東京時間のドル円ばかりなんです。
東京時間のドル円は、世界経済に影響を与えるような要人発言や経済指標の発表がまずないので、チャートに予想外の動きが生じにくくなります。
ということはつまり、基本的にはレートはチャートの理論に沿って、主要な移動平均線やサポートレジスタンスラインで「一旦停止」することが多く、「逆張り派」の僕の性格にピッタリ合うわけなんです。
一方、これがヨーロッパ時間やアメリカ時間に入ると、重要な経済指標や要人発言があったりするので、それが為替市場のサプライズとなって、それまでの値動きの流れやチャートの理論に関係なく、レートが上下にすっ飛んでいってしまいことが多々あります。
そうなると、チャートの理論を基にトレード戦略を決めている僕にとっては、たちまち「トレードする根拠」を失ってしまい、どう立ち回って良いかが分からなくなるんです。
僕はポンドとの相性が悪く、ほぼドル円専門でトレードしている。

「移動平均線とサポレジを根拠に逆張りトレード」する僕のスタイルには、東京時間のドル円が最もマッチする。
以上のことから、僕は東京時間のドル円をメインにトレードをするようになって、それ以降、「トレード日記」にあるように、ほぼ毎日利益を積み重ねることが出来ています。
ただし、東京時間であればどの通貨ペアでも良いのかというと、そうではないんです。
ポンドやオーストラリアドルのような比較的取引量の少ない通貨ペアは、どうしても値動きが激しくなる特性があって、ある一方向にレートが動き出すと、そのまま「突っ走ってしまう」といった現象が起こります。
この動きの特徴は、株の新興市場の銘柄の動きと共通する部分があって、うまく波に乗れると値幅を取れるんですが、チャートの理論に従わない動きをするので、トレードの難易度は高くなりますし、ギャンブル性が高くなるとも言えます。
そして実際に、僕のトレード成績でいうと、ほぼ毎日勝っている東京時間にドル円に対して、同じ東京時間なのにポンド円となると、圧倒的に勝率が下がってしまうんです。
過去にも、「慣れないポンド円で損切り連発。トレード日記で初黒星」で書いたような「とっ散らかった」、まるで初心者のようなトレードを演じてしまったりと、どうしてもポンド円の独特な値動きのクセに、僕の心理状態が揺さぶられてしまうんです。
でも、一方では、「一方向に突っ走る」ポンドなどの値動きが「性に合う」人もいるので、一概に値動きの大きい通貨ペアを否定するわけではないんですが、やはり値動きが激しいと、特に初心者トレーダーは心が動揺しがちになるので、個人的にはあまりお勧め出来ません。
このような理由から、
僕は過去のデータ上、最も成績の良いドル円を主戦場としてFXを戦っています。
戦いに勝つためには、まず自分が一番有利に戦える場所を把握しておくことが大切です。
ぜひみなさんにも、ご自身が最も有利に戦える戦場(通貨ペア)を見つけて、今後の戦いを進めていって欲しいと思います。
最後に、繰り返しになりますが、初心者のうちは値動きが比較的穏やかなドル円をメインにトレードすることをお勧めします。
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