そもそもFXとはどんなものなのか?
「FXが、外国の通貨を取引の対象にしたもの」
だということは、なんとなく分かっている方も多いかと思います。
でも、同じ外国の通貨を対象としていても、外貨預金と外貨建ての投資信託(MMF)はFXとは呼ばないんです。
FXとは外国為替証拠金取引のこと
FXと呼ばれるのは、「外国為替証拠金取引」のことで、英語の、Foreign Exchange(フォーリン・エクスチェンジ) の頭文字を取ったものです。
ん…。Foreign Exchange の頭文字だったらFEじゃないか!
というツッコミが聞こえてきそうです。
僕も最初はそう思いました。が、なぜか日本では昔からFXと呼ばれていて、海外では Forex(フォレックス) と呼ばれています。
FXを平たく言うと、
円を売って外国の通貨であるドルを買ったり、ユーロを買ってドルを売ったりして、買った時の値段と、売った時の値段の差額で儲けよう!
というものです。
90円で買ったリンゴを100円で売って10円儲けよう、というのと本質的になんら変わりません。
ただFXでは、その際に必要な資金を、証拠金としてFX業者に預けることで、元手資金よりも「レバレッジ」を効かせて取引することができるんです。
FXでは、元手資金の25倍までの取引ができる
レバレッジとは、「テコ」のことです。
そう、「テコの原理」のテコです。
レバレッジを使えば、本来あなたが持っている資金の何倍もの金額をトレードすることが可能で、その為に短期間で大儲けする可能性もあれば、あっ、という間に元金をすべて失うこともあり得ます。
レバレッジは最大で25倍まで掛けることが可能ですが、どの程度レバレッジを掛けるかは本人の自由です。
なので、
「FXはレバレッジが掛けられるから危険だ!」
という人がいますが、それは間違いです。
危険だと思うのなら、一切レバレッジを掛けずにトレードすることもできます。
僕自身は、普段からかなりレバレッジを低くしてトレードしています。
その方が、リスクを限定できますし、トレードに不可欠な「冷静さを保つ」ことにも役立つからです。
また、レバレッジについては「FXのレバレッジは本当に危険なのか?」にも書きましたが、リスクを高めるだけのものではなく、少ない資金を効率よく運用できる「資金効率を高めるツール」という側面もあります。
トレードを始めるにあたって、少ない元金だけで始められるFXは、考え方を変えればリスクを抑えられる非常に便利なトレードシステムだと言うこともできます。
FXなら相場の下落局面でも儲けられる
今このサイトをご覧いただいている方の中に、「株の取引き経験がある」という方も多いかと思います。
通常、株の取り引きをする場合は、手持ちの資金の範囲内で「現物株」を買う場合がほとんどでしょう。
中には、「信用取引」といって、一定の資金もしくは株式を担保に、証券会社から投資資金や株を借り入れて取引している人もいますが、まだまだ少数派です。
FXの「証拠金取引」というのは、この株の「信用取引」と同じ性質のものです。
そして、「信用取引」と「証拠金取引」のメリットは、
売りから入ることができる
ということです。
一般的な株式投資のように、「買い」からしか入ることができないトレードでは、相場が下がった場合、儲ける手立てがありません。
しかし、「証拠金取引」のFXでは、どの通貨であれ「買い」から入ることも「売り」から入ることもできるので、下げ局面の相場であっても利益を狙うことが可能となります。
「売り」から入った場合は、よりレートが下がったところで買い戻し(決済)することで、下がった分が利益となります。
株を買ったものの、下げ相場に付き合わされて、資金が減っていくのを歯がゆい思いで見ていた経験のある方も沢山いることでしょう。
その点、売りからも入れるFXは、下落局面でも利益をあげるチャンスとなります。
FXは、24時間いつでもトレードができる
さらに、FXの便利なところは、
ほぼ24時間いつでもトレードができる
というところです。
これはFXが、どこかの決まった取引所で取引されているわけではないからです。
株の場合は、東京証券取引所など決まった場所でのみ取引されるので、取引時間も平日の日中に限られます。
一方、FXの場合は、「インターバンク市場」という「世界の銀行間」で通貨の売買が行われるので、実質24時間、トレードすることが可能です。
サラリーマンの方など、昼間は仕事で忙しい方でも、都合に良い時間に合わせてトレードすることができるんです。
ただし、日本が昼間の時間帯の「東京時間」から、プレーヤーの主体が変わっていく「ヨーロッパ時間」「ニューヨーク時間」とでは、同じ「為替相場」でありながらレートの動きにそれぞれの「クセ」があるので、トレードする際には注意が必要です。
⇒ 詳しくは「東京・ロンドン・ニューヨーク。彼らの手口とは?」をご覧ください。
通貨の2つの値段【買値と売値】
実際に通貨を売買する際、表示されている為替レートには、2つの値段があることに気付くでしょう。
よくテレビのニュースなんかでも、
「現在ドル円は、○円○銭~○円○銭の間で取引されています」
と言っているのを聞きます。
ただしこれは、
ドルと円がこの間の値段で取引されているということではありません。
2つの表示価格は、「買う場合の値段と売る場合の値段が、それぞれこの価格ですよ」ということです。
例えば、下のドル円チャートの画像では、
円を売ってドルを買う場合は、右側のBUYの価格「109.063ドル」で、ドルを売って円を買う場合は、左側のSELLの価格「109.059ドル」ですよ、という意味です。
テレビのニュースの表現から、「この価格からこの価格の間で取引されてるんだ~」と勘違いしている人がけっこういるように思います。
ちなみに、テレビでは為替レートの小数点以下2ケタまでを言いますが、実際のFXのトレードでは、小数点以下3ケタまでを表示します。
FXのスプレッドは実質的な手数料
通貨を取引する際には、2つの値段があることがおわかりいただけたことと思います。
ではなぜ、買う時と売る時とで価格に差があるのか?
それは、その差額分がFX業者の利益となるからです。
僕たちのような個人トレーダーが、FX業者からドルや円やユーロを買う場合、FX業者は自らが仕入れた価格に彼らの利益を上乗せして、トレーダーに「提示」します。
売る場合も同じです。
なので、買いと売りそれぞれ2つの値段が存在することになるんです。
また、この2つの価格の差のことを「スプレッド」と呼びます。
スプレッドは、各FX業者によって違うので、「同じ瞬間」にトレードしたとしても業者によって提示するレートは微妙に違いがあります。
スワップ金利とは?
FXで取引を行う目的は、当然のことながら利益をあげることです。
その方法は、安く買って高く売る。もしくは高く売っておいて安く買い戻す。のどちらかです。
短期間で大きな利益を上げる短期トレーダーたちは、みなFXの激しい値動きを利用して利益を積み上げていきます。
この売買時の差額で儲けることを「キャピタルゲイン」と言います。
一方、FXにはキャピタルゲインと、もうひとつの収益機会として「スワップ金利」と呼ばれるものがあります。
スワップ金利は、通貨によって金利に違いがあることから生じます。
例えば、金利の低い円を売って、金利の高い豪ドルを買ったとします。
この場合、
(豪ドルの金利)-(円の金利)=スワップ金利
として、金利を1日あたりに換算して、保有期間中は毎日受け取ることができます。
ただし、この逆のケース、つまり高い金利の通貨を売って、低い金利の通貨を買った場合は、スワップ金利を受け取るのではなく、支払わなければいけません。
スワップ金利の自体は微々たる金額なので、それを意識してトレードする必要はありませんが、そういうものがあるということだけ知っておきましょう。
為替レートは株価と違って相対的なもの
株の場合だと、株価が高いか安いかを判断する材料としては、その企業の業績や、今後の成長性といったことが挙げられます。
「会社」という明確な存在に対して、投資家たちが「株価」という評価を与えているわけです。
一方、為替レートというのは、相対的なものです。
2つの通貨の組み合わせ(通貨ペア)と、「相手となる通貨に対しての価値」を表しています。
例えば日本では、
「また円が上がった」「円高が進行している」
といった表現をよく耳にします。
これは通常、円が米ドルに対して「高くなった」ということで、必ずしも円の価値がすべての通貨に対して高くなっているとは限りません。
と言うのは、
円はユーロやポンドに対しては安くなっているかもしれないですし、もしかすると単にドルが下がっただけなのかもしれません。
なので、その通貨の強弱を判断する際には、別の通貨との組み合わせについても見ておく必要があります。
FXトレーダーが注目すべき、為替市場に影響を与える経済指標
相手の通貨との力関係を表す為替レートでは、自国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に注目する必要があるのと同じように、相手国のファンダメンタルズについても注目しておかなければいけません。
特に、すべての通貨ペアに大きな影響を与えるのが、アメリカの経済指標です。
実際のFXのトレードでは、ほとんどチャートだけを判断材料に取引しているといっても過言ではありません。
単純にその方が利益を出しやすいからです。
しかし、
重要な経済指標の数字や、あるいは要人の発言などによっては、チャートの理論など、一瞬で吹っ飛ぶほど、レートが一気に急騰もしくは急落してしまいます!
トレーダーにとっては、チャートの理論が通用しない相場というのは、恐ろしく危険なものです。
でも、経済指標の発表があることや、要人の会見があることを事前に把握しておけば、相場の急変に備えておくことができます。
ということで、FXトレーダーは、少なくとも以下の経済指標の発表がいつあるかぐらいは知っておきましょう。
経済指標 / 金融政策 | 日程 / 内容 |
---|---|
雇用統計 | 毎月第1金曜日 / 景気の行方を雇用者数で判断するアメリカの最重要指標。トレーダーにとってはお祭り的なイベント。 |
ADP民間雇用レポート | 雇用統計の2日前の水曜日 / 2日後の雇用統計を占う前哨戦。 |
小売売上高 | 毎月中旬 / 個人消費がGDPの大半を占めるアメリカにとって、景気動向を判断する先行指数。 |
消費者物価指数(CPI) | 毎月中旬 / 小売り・サービスの価格から物価の動きを調べる。金利政策に影響を与えることもある。 |
中古住宅販売件数 | 毎月下旬 / 日本と違いアメリカでは中古住宅が住宅市場の中心。景気動向を判断する先行指数。 |
ISM製造業景気指数 | 毎月第1営業日 / ISM(全米供給管理協会)が実施する購買担当役員へのアンケート。 |
ISM非製造業景気指数 | 毎月第3営業日 / 近年注目度を増している非製造業を対象とした景気動向指数。 |
GDP(米国) | 毎月下旬 / GDP自体は四半期ごとだが、速報値・改定値・確定値と毎月発表がある。中長期の景気動向を判断。 |
FOMC | 年8回 / アメリカの中央銀行にあたるFRBによる金融政策会合。金利政策が為替市場に与える影響は甚大。 |
日銀金融政策決定会合 | 年8回 / 金融政策の変更が予想される場合は特に注目度が高まる。 |
僕はトレードする際に、これらの指標発表のスケジュールを必ずチェックして、発表前にはポジションを持たないようにしています。
いったいどんな数字が出て、その数字に対してマーケットがどんな反応を示すのか、まったく読めないからです。
最後に – FXで勝つ為にはトレードに適したマインドが重要
以上、簡単ではありますが、FXを初めて学ぶ方を想定して書いてみました。
いかがだったでしょうか?
もし、FXに対する興味がより高まったり、理解が深まったと感じてもらえたら嬉しく思います。
最後に、僕自身がFXに興味を持ち、いきなりトレードを始め(笑)、さんざん苦い思いをしてきた経験から、改めてこれからFXを始めるみなさんにお伝えしたいことがあります。
それは、
FXで勝つためには、最低限の知識はもとより、それに加えて、トレードに適したマインドを鍛えることがものすごく大切
だということです。
ハッキリ言って、知識や技術だけではFXは勝てません。
なぜなら、人間の心に備わっている本能は、トレードに適した行動を行わないからです。
このサイトは、FXで勝つためのマインドを作ることを一番の目的にしています。
ぜひ、一緒に学び、勝てるマインドを自分の中に育てていきましょう!
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