僕は、プロトレーダーのトレードとは「1回の大勝ちを狙うよりも、小さな利益を毎日コツコツ積み上げること」だと考えています。
この考え方は、僕が先物取引会社で働いていたことが影響してるのかもしれません。
トレードを「ビジネス」として捉えた場合、リスクを負って大勝ちを狙うよりも、「リスクを最小限にしつつ、小さくても確実な利益」を重ねていくことが求められるからです。
FXをビジネスとしてトレードするには、「心の中の悪魔」を追い払う必要がある
リスクを負って大勝ちを狙うトレードはすごく刺激的なので、楽しむためにFXをしている人にとっては、「これこそFXの醍醐味だ」と感じているかもしれませんね。
ギャンブル的なトレードは、なにも考える必要がありません。
なので、脳を酷使する苦痛もないですし、確かに楽しいです。
ギャンブル行為は、脳を刺激して、脳内ではドーパミンという快楽物質を放出させますから。
この刺激を目的にFXを始めたと言うのであれば、僕から特に言うことはありません。
そういう人が永遠にFXで勝ち続けることはまずないでしょうけど、それが楽しみだと割り切っているのなら、それもひとつだと思います。
でも、もしあなたがFXをお金を稼ぐために行っているとしたら、この「刺激という悪魔」を自らの意思で叩きのめす必要があります。
この悪魔は、常にトレーダーの側に居座り、「今を楽しめ」と、ささやき続けるので、なかなか振り払うことが難しいんですけどね。
FXで勝つために楽しむことを捨てた
僕はFXをギャンブル的に楽しむものではなく、「利益をもたらしてくれるビジネス」として捉えています。
FXを、日々の糧を得る「仕事」として考えるなら、楽しむことよりも「実」を選ばなければいけません。
トレーダーという稼業は、トレードやマーケットに関する知識はもちろんのこと、それ以外にも人間の心理面についての知識やコントロール能力が問われるので、つくづく「難しい仕事だなぁ」と痛感します。
このあたりの心理については、「正しいトレードとは勝っても楽しくないもの【断言します】」にも詳しく書いたので参考になさってください。
プロトレーダーにとって大切なのは確実に生き残り、明日もトレードを続けること
上記のように、プロのFXトレーダーはギャンブル的トレードの誘惑から自らを守る必要があるわけですが、そのことの一番の目的は「大負けを回避すること」です。
プロトレーダーのトレードは、トレードスタイルにもよりますが、基本的には「日々、小さな利益を積み重ねるトレード」です。
リスクを最小限にしながら、コツコツと利確していくわけですから、ロスカットする際の金額も相応に小さく保たないと、いわゆる「コツコツドカン」の状態となり、トータルでマイナスになってしまいます。
僕は、先物取引会社時代を含め、長年のトレーダー人生の中で、「一度の大負けで消えていったトレーダー」をたくさん見てきました。
その中には、すごく優秀なトレーダーもいましたし、そうでないトレーダーもいました。
つまり、大負けして消えていく人の特徴に、優秀かどうかはほぼ関係ないんです。
毎日のように利益を積み重ねている優れたトレーダーであっても、ほんの些細なミスをキッカケに、大きな含み損を抱え、結果「大損切り」に発展してしまうことが珍しくありません。
その理由は、トレーダーの心の中に巣食ったほんの小さな油断です。
わずかな心の隙を突いて「悪魔」は忍びよります。
プロトレーダーとしての意識が論理的なロスカットを可能にする
トレーダーが人間である以上、ミスをすべて防ぐことは不可能ですが、唯一、そのミスからトレーダーを守ってくれる方法があります。
以前、「FXでは1日の最大損失額を限定しないと必ずいつか死ぬ」でも書いたように、許容できる1日の最大損失額を決め、必ずそれを守ることです。
トレーダーにとってトレード資金とは、なにがあっても守らなければならない「最も大切なもの」です。
FXをビジネスとして考えているのなら、このことの重要性を認識し、例え相場にどんな異変が起こったとしても、自身のトレード資金だけは保全しなければなりません。
そのために必要なのは、感情に左右されない論理的な損切りです。
ロスカットする際は、ベテラントレーダーであっても、少なからず心の抵抗を感じるものです。
でも、その抵抗感を「論理的なレートでの損切り」であれば、多少はやわらげてくれます。
論理は感情とは無関係だからです。
損失を抱えたポジションなど、事前に決めておいたロスカットポイントで、さっさと捨ててしまうことです。
そして、なにがあってもこの世界で生き残り、明日もビジネスとしてトレードができるよう、「損切りすべきは損切りする」プロとしての意識を持ちましょう。
僕はコツコツ稼ぎ、さっさと逃げる。負けもさっさと認める。

2017年9月25日のトレード日記より
ここまで、FXをビジネスとしてトレードするための考え方についてお話ししてきました。
でも、言葉だけでは「具体的にどんなトレードをすればいいのか?」分かりにくいかと思います。
そこで見ていただきたいのが、僕が毎日のトレード内容をレポートしていた「トレード日記」です。
上の画像は、2017年9月25日のトレード日記で、チャート上にエントリーとエグジットの根拠をプロットしています。
また、トレード日記の各ページには、実際に取引したことを証明する証券会社の取引明細も同時にアップしています。
このように、「トレード日記」では、僕がチャートの「どこに目をつけ」「どういった理由で取引を実行したのか」が、分かるように解説しています。
「トレード日記」を数日分見てもらうと分かりますが、
僕のトレードの特徴は、少ない利益を短時間にコツコツと積み上げていることです。
そして、ロスカットは、エントリーした根拠が崩れる場所で確実に行っています。
つまり、小さくても確実な利益をコツコツ稼ぎ、さっさと勝ち逃げする。
また、負けも「当初の根拠が崩れた時点」でさっさと認めます。
1回のトレード時間については、短いと数分、長くても1時間ぐらいで、これが僕にとっての理想的なポジション保有時間なんです。
これ以上短いとほぼスキャルピングになってしまい、利幅が小さいうえに、せわしないのであまり好きではありません。
逆に、これ以上長いと集中力が途切れてきて、しんきくさいので、これも性に合いません。
最適なポジション保有時間というのは、そのトレーダーの性格によって変わってくるので、詳しくは「FXトレードに最適な時間軸は?【あなたに合った時間軸で勝ち組へ】」をご覧ください。
まとめ
僕はトレード成績とは、そのトレーダーの「心のレベル」が大きく左右するものだと考えています。
特に「FXをビジネスとしてトレードする」場合は、「FXを楽しんでいる人たち」よりも、心の状態が上のレベルにある必要があります。
ここでお話しした、
- ギャンブル的なトレードをしてしまいそうになる「悪魔の誘惑」を追い払うこと
- 心の抵抗にうち勝って「論理的なポイントで確実にロスカット」すること
などは、プロトレーダーがまず最初に身に付けないといけない基本的な心の状態です。
この2つの条件を守ることが出来れば、決して大負けをすることはありませんし、明日もトレードを続けることが出来ます。
これは、継続出来なければビジネスとして成り立たないわけですから、非常に重要なことです。
他にも書いたいことはいろいろとありますが、プロトレーダーを目指している方は、まずは上記の2点を実行するだけでも、少なくともFXで負けることはなくなると思います。ぜひ、意識してみてください。
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