あなたの資金を奪う!怒りのポジポジ病の治し方

ポジポジ病はトレーダーにとって「重篤な疾患」。なんていうと大袈裟かもしれませんが、厄介な難病であることは間違いありません。

トレーダーにとって、最も大切な要素は「常に冷静」でいることです。
特にFXでは、チャートがすべてのトレード判断の基となるわけですが、そのチャートが示すパターンやシグナルを読み解く能力は、トレーダーの心が落ち着いている状態で初めて最大限に発揮されます。

もし、トレーダーが冷静な判断を下せないほど心が動揺していたとしたら、本来見えるはずの「チャートが示すシグナル」を見落とす可能性が著しく高くなってしまいます。
そんな状態では、とても冷静な判断は下せません。

冷静な判断を下せないまま、資金を投下するということは、ギャンブルをしているのとまったく同じ状態です。
その結果がどうなるかは、説明するまでもないでしょう。

ポジポジ病とは怒りが原因でかかる心の病

✅ ちなみに、ポジポジ病が何か分からないという人のために簡単に説明すると、

トレーダーが何らかの原因で冷静さを失った時に、本来ポジションを取るべきではない場面でも、とにかく利益を出そうとムキになって、買いだろうが売りだろうが、やたらとポジションを取りまくってしまう、という一種の精神疾患です。

それである瞬間、ふと我に返ってトレードを中止し、、負けた金額の大きさに愕然とする。というのがよくあるパターンなんです。

僕もFXを始めた当初は、しょっちゅうこの難病に悩まされました。

買った直後にレートが急落してカッとなり、「それなら売りだ」とドテンしたら今度は急上昇…。
さらに怒りにまかせて大きな玉をブチ込む…。

その結果、無残な結果に終わるというのが、ポジポジ病にかかったトレーダーの末路です。

ポジションを取りまくって、それで勝てるなら問題ないんですけど、まぁ、ほぼ確実に負けます。しかも、大負けするケースがほとんどです。

ポジポジ病を未然に防ぐ方法は、あることはある

ポジポジ病を未然に防ぐ方法は、あることはある

僕も今なお完全にポジポジ病を葬り去れたかというと、かなり疑問が残ります。
しかし、初心者の頃と比べると、それなりに上手に対処できるようにはなりました。

自分なりに巧く行った対処法としては、次の2つが挙げられます。

  1. そもそもポジポジ病にかかる前にその前兆を感じ取り未然に防ぐこと
  2. ポジションを取りまくってることに気付いたらすぐにトレードを中止すること

この2つしか、結局のところ方法がないように思います。

そもそもポジポジ病にかかる前にその前兆を感じ取り未然に防ぐこと

まず1の未然に防ぐ方法ですが、これが出来れば「ポジポジ病がほぼ完治した」と言える状態だと思います。
ただ、それだけに難しくもあります。

僕の場合は、長くトレードを続けていく中で、自分がポジポジ病になる前に、「ある種の傾向」があることに気付きました。

それは、「初心者はその日の損益が確定するまでトレード日誌は書くな!」という記事の中でも書いたように、自分がその日のトレードで一度確定していた金額を減らしてしまった時に、それを取り戻そうとしてポジポジ病が発病し、「ドツボ」にハマっていくケースが多いことに気付いたんです。

トレードの途中で損益が上下しても、それほど精神的に動揺はしないんですが、もうその日のトレードを終えたつもりで日誌に利益額を書き込んだ後は注意が必要でした。
なので、上記の記事では「初心者はノートに利益額を書き込ん後はトレードをするな!」と書いたんです。

経験豊富なベテラントレーダーなら、自分を冷静に保つこともそれほど難しくはないでしょうが、「トレード脳」が未発達の初心者トレーダーの場合は、すぐにカッとなり我を失うので、ことさら気を付ける必要があります。

ポジポジ病への一番の対処法は、自分がポジポジ病の前段階である、「冷静さを失いかけた状態」をいち早く察知し、努めて冷静になることです。
これは、ある程度経験がものを言うことだと思います。
100%防ぐことはそれでも難しいものの、大負けする前に冷静さを取り戻すことは十分可能です。

ポジションを取りまくってることに気付いたらすぐにトレードを中止すること

次に2番の、ポジポジ病にかかったことに気付いてからトレードを中止する方法です。
1よりも2の方が難易度は高いと思います。

なにせ、もうかかちゃってるわけですから…。

それでも、トレーダーがマーケットで生き残っていきたいと考えるなら、この難病への対処を諦めてはいけません。

方法はただひとつ、トレードを中止することです。
「これ以外の手段はない」と思うのがベストだと言えます。

もし仮に、もの凄く腕の良いトレーダーで、冷静さを失っていても利益を出すことができるのだとしたら、トレードを続けても構わないでしょう。
しかし、ほとんどのトレーダーは冷静な判断ができない状態で勝つことは至難の業のはずです。

簡単なことではないのは承知していますが、僕の経験から言うと、冷静さを失った中で、途中でトレードを止めることは不可能ではありません。

ポジポジ病を防ぐには、特定のチャートパターン以外では絶対にエントリーしない「鉄の掟」を作る

ポジポジ病を未然に防ぐ方法

現に僕は、怒りからポジションを取り過ぎたり、いつもより大きな玉を突っ込んでしまった時は、もう一人の冷静な自分が「ポジポジ病になりかけているぞ!」と声をかけてくれます。
その瞬間、我に返ることができるんです。

きっと、過去のポジポジ病にかかった際のあまりにも辛い経験から、「ポジポジ病がどれぐらい大金を吹き飛ばす恐ろしいものか」ということを、嫌というほど思い知らされてるので、瞬時にその恐怖の記憶がよみがえり、冷静さを取り戻すことが出来るんだと思います。

あと、僕がポジポジ病のために大損したあとに、自分自身に課した矯正手段があります。
それは、

「自分が得意とするチャートパターンを見つけた時しかエントリーしない!」

と決心する方法です。

僕は自分のポジポジ病を治すことを目的に、1カ月間、

「上昇・下降三角形のブレイクでしかポジションを持たない」

と固く決意しました。
別に上昇・下降三角形のブレイクが特別有利なチャートパターンというわけではないんですが、自分の心をコントロールするための訓練として、自分自身に対して「鉄の掟」を作っていました

その為に、日によってはチャートをただ眺めているだけで、1度もトレードをしなかった日も何度かありました。
でも、この期間があったお陰で、やたらとエントリーしたがる悪いクセをすっかり矯正することができました。

決して楽しいものではありませんが、ポジポジ病の矯正には抜群の効果があると思います。
ポジポジ病で損をしている人は、ぜひ試してみてください。

結論としては、完璧にポジポジ病を防ぐことは難しいとしても、それに対処する方法はあって、特に自分が怒りやすい、あるいは冷静さを失いやすいシチュエーションを把握しておき、その状態に入らないように極力善処すること。これに尽きると思います。

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麦 恵成(バク ケイセイ)
名前:麦 恵成(バク ケイセイ)
生年月日:1970年11月8日
出身:兵庫県神戸市
職業:FXトレーダー兼ファイナンシャルプランナー。元先物取引会社勤務。現(株)エンスージアズム代表取締役。
自己紹介:トレーダー歴はトータルで約20年になります。
主戦場は為替。他にダウ先物・225先物・原油先物など。
現物株は高配当銘柄の長期投資中心。少しだけ新興市場のグロース株も。
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