FXでは論理的にポジションを取り、その後は放置するぐらいが良い

多くの「負け組トレーダー」のトレードを見ていると、チャートの理論を無視して「勘に頼ったトレード」をしている人が目立ちます。

そして、勘に頼って取ったポジションには、そもそも理論がありません。
理論がないので、エントリーしてはみたものの、そのあとポジションをどう扱っていいかわからず「右往左往している」というのが彼らのパターンです。

僕は先物取引会社時代を含め、約20年のトレード経験がありますが、「勝ち組トレーダー」のトレードはまったく逆です。

「勝ち組トレーダー」は、エントリーする際には理論に則って慎重にポジションを取ります。
その後は、レートの動きに一喜一憂せず、所定の利確または損切りポイントにレートが達するまで「ほぼ放置」しているんです。

この「両者の決定的な違い」は、明確に「トレード成績の差」となって表れます。

FXでは、論理に基づいてポジションを取らないといけない理由

FXでは、論理に基づいてポジションを取らないといけない理由

僕は、もともと先物取引会社に勤めていたにもかかわらず、商品先物や株式ではなくFXを短期トレードの対象に選んでいます。
その理由は、「為替相場の値動きが最もチャートの理論に則って動く」という特徴があるからです。

これは、為替市場が、1日約600兆円とも言われているぐらい規模が大きいことによります。
これだけの市場規模になると、株で言う「仕手」のように、特定の人間の思惑で相場を動かすことが、ほぼ不可能だからです。

この為替市場の特徴は、僕のような「才能のないトレーダー」にとってはすごく重要なんです。
為替市場がチャートの理論に則って動くということは、チャートに関して猛勉強をすれば、「才能がなくてもFXで勝てる可能性がある」ということでもあるからです。

為替レートは、株や先物市場よりもチャートの理論に忠実に動く

株や商品先物のトレードをしたことのある人なら感覚的に分かるかと思うんですが、これらの相場は、トレードをしながら「不自然な値動き」を感じることが多々あります。

これは、株の個々の銘柄の取引高が、為替市場に比べるとはるかに小さいので「大口投資家」の売買によって、株価が動いてしまうからです。

大口投資家が意図して株価を動かそうとしたかどうかは別として、彼らの売買によってチャートには「いびつなカタチ」がひんぱんに現れ、これがトレーダーから見ると「すごく違和感のある値動き」に感じられるんです。

その点、FXの場合は、為替市場の規模が大きいことから、このような「いびつなチャート形状」にはなりにくく、チャートの理論にそった「素直な値動き」となる傾向があります。
特に、重要な指標発表や要人発言のすくない東京時間では、その傾向が強くなります。

例えば、下の画像を見てください。

2017年9月25日のドル円チャート

2017年9月25日のドル円チャート

このチャートは、2017年9月25日のトレード日記のものです。

レートの値動きを見てみると、赤い水平線(サポートレジスタンスライン)がすごくよく効いているので、これだけでも「勝てそう」な相場に見えますよね。

そのうえ、黄色の75MA、緑の100MAが「ここで止まりますよ!」と言わんばかりに効いています。
さらに、青の4時間MA、紫の5時間MAも確実にレートの動きに作用しているのが分かります。

これだけチャートの理論に則った「教科書的」な動きを見せてくれる相場なら、ちょっとチャートの勉強をしているトレーダーなら、誰でも勝てます。

僕が、なぜ値動きのすくない東京時間をあえて選んでトレードし、なおかつ毎日勝つことができているのかは、上のチャートのように東京時間の為替市場の値動きが、非常に素直で教科書通りに動いてくれる可能性が高いからなんです。

なぜ、ポジションを取った後は放置するぐらいが良いのか?

なぜ、ポジションを取った後は放置するぐらいが良いのか?

上のチャートのように、為替市場、特に東京時間の為替市場の値動きは、非常に教科書的、かつ素直です。
この特徴は、ポジションを取る際、つまりエントリーする際に、「どこを目安に仕掛ければいいか」を教えてくれます。

例えば、「今日はサポートレジスタンスラインが効いている」と判断すれば、それを基準に、その日の戦略を考えることが出来ます。

その基準となるサポレジに、同じくよく効いている移動平均線が重なる場面があれば、それは絶好に仕掛けのタイミングということになります。

これで、エントリーする際のポイントの見極めは完了です。
では次に、エグジット、つまり、取ったポジションを手仕舞いするタイミングは、どのように判断すればいいのでしょうか?

レートの動きに一喜一憂せず、当初の戦略を実行する

取ったポジションを手仕舞うタイミングは、エントリーするポイントを見つけること以上に難しいものです。

なぜなら、ポジションを持った時点で、そのトレーダーは「含み益、あるいは含み損」を抱えていて、エグジットするということは、その利益または損失を確定することになるからです。

エントリーする時は、当然、含み益も含み損もない状態なので、あまり心理的抵抗もなく、理論にそってエントリーポイントを判断すればよかったのですが、エグジットする際は、確定しないといけない利益もしくは損失が、少なからずトレーダーに「心の抵抗」を生じさせます。

これは一種の恐怖心のようなもので、含み益・含み損に関係なく、トレーダーの心に必ず芽生えます。
「含み益の場合でも恐怖心が芽生えるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、含み益を持っている場合でも、トレーダーは恐怖心を感じます。

というのは、人間は「自分の持つ利益」を失うことに対して、すごく「怖がる」生き物だからです。
それは負けトレードに対してだけでなく、「勝ちトレードの利益が減る」ことに対しても、同様に生じるからなんです。

この恐怖心のために、初心者トレーダーや負け組トレーダーは、目の前のレートの値動きに一喜一憂し、心は右往左往してしまいます。
僕も以前はそうだったので、よく分かります。

こんな心理状態では、冷静で論理的な判断など出来なくなってしまいます。
では、そんなときは、どうすればいいのか?

僕が行き着いた答えは、

ポジションを取ったあとは、当初に決めた利確または損切りポイントまで「放置」する

というものです。

「放置する」と決めておかないと、どうしてもレートの動きにつられて心が動揺してしまい、「いったん利確しておこうか」とか、「マイナスが小さいうちにさっさと逃げておこう」といったように、その場の雰囲気に流されてしまうことがあります。

当初に決めた利確または損切りポイントを守らないと、「FXを確率のゲーム」として捉えることが出来なくなるので、大数の法則が作用せず、最終的に勝つことも難しくなってしまいます。

なので、結論として、このページのタイトルのように「FXでは論理的にポジションを取り、その後は放置する」という姿勢が、最も勝つ確率を高めてくれるものだと思います。

初めのうちは、レートの動きが気になって、ポジションを「放置する」のもなかなか簡単ではないんですが、なにごとも慣れです。
慣れてくれば、徐々に感情に左右されることなく、利確または損切りポイントまで放置できるようになってきます。

ぜひ、みなさんも取ったポジションを当初に決めた利確または損切りポイントまで「放置」してみてください。
そうすれば、大数の法則が働き、FXという確率のゲームに勝つ可能性が高くなります。

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麦 恵成(バク ケイセイ)
名前:麦 恵成(バク ケイセイ)
生年月日:1970年11月8日
出身:兵庫県神戸市
職業:FXトレーダー兼ファイナンシャルプランナー。元先物取引会社勤務。現(株)エンスージアズム代表取締役。
自己紹介:トレーダー歴はトータルで約20年になります。
主戦場は為替。他にダウ先物・225先物・原油先物など。
現物株は高配当銘柄の長期投資中心。少しだけ新興市場のグロース株も。
Twitter:https://twitter.com/BakuKeisei

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