僕が目指す究極のトレーダーの姿とは、ひとつのトレード結果に何の感情も持たず、
「ただ勝ちを受け入れ、ただ負けを受け入れられる」
そんな境地に達することです。
もう少し詳しく言うと、
「ポジションを取った後は、そのポジションがプラスになろうがマイナスになろうが、一切の感情に左右されず、ただ正しい判断のみを下せる心の状態を常に持ち続けること」
です。
「勝ち負けをどうでもいい」とは思えない。僕たちを育てた常識がトレードの邪魔をする
トレーダーが人間である以上、「ポジションを持つ」という自分が下した判断に対して、それが過ちだったと認めることは、少なからず心の葛藤をともなうものです。
自分の考えや行動が間違いだったと受け入れる為には、「自分は間違ってない」と本能的に抵抗する心の壁を、自らの意思で打ち破らなければなりません。
僕たちは、子供の頃から正しい行いをするよう教育され、常に正しい選択をするよう心掛けて生きています。
人は常に正しい側にいたいと思う生き物です。
例えば、考え方の違う他人と出逢った時、誰もが「自分の方が正しい」と心の中では思うものです。
「あなた方はみな正しい。私だけが間違った考え方を持っている」と、心から思っているような人はまずいないでしょう。
「結局、人は誰もが自分は正しいと思い込んで生きているんです」
しかし、この人間の心の本質こそが、トレードを世界で最も難しい「ゲーム」たらしめている所以(ゆえん)です。
これが為に、多くのトレーダーが志し半ばでマーケットからの退場を余儀なくされます。
正しい判断を受け入れられなかった時、具体的には、含み損を抱えて、すでに敗北が決定的になっているにもかかわらず、まだポジションを切ることができない状態にある時。
唯一の正しい行動は、「即座に敗北を受け入れ、ポジションをすべて損切りする」ことです。
他に選択肢はありません。
ところが、多くのトレーダーが理性では損切りすべきことを分かっていながら、実行に移すことができないんです。
なぜなら、僕たちは、
「間違ったことをしてはいけない。正しいことを行わなければならない」
そう教えられてきたからです。
優位性の判断は、あくまで優位性でしかない
自分がとった誤った判断や、間違った行動を受け入れられない心の状態でマーケットに向かい続けたとしたら、相場の神様はいずれそのトレーダーを破滅の道に追い落とします。
夢を抱いてFXの世界に足を踏み入れながら、大きな損失と共に去って行った数え切れないほどの人たちが、そのことを証明しています。
「自らの過ちを、なんの心の葛藤もなく受け入れられる心の状態」
これを作る以外に、FXで生き残り、大きく勝つことは不可能です。
しかし、子供の頃から培ってきた心の状態を、一朝一夕に変えることは至難の業です。
ですが、大多数の人が解決できずにいる「失敗を受け入れられない心」の状態を、いく分緩和してくれる、あるいは解決の手助けをしてくれる考え方があります。
これは、僕にとっては非常に効果的だった方法で、この考え方をするようになったからこそ、僕は勝てるトレーダーになれたと言っても過言ではありません。
それが、この項目のタイトルの、
優位性の判断は、あくまで優位性でしかない。
という言葉です。
つまり、
「相場が上がる」という予測のもとに取ったポジションは、「相場が下がる」ことよりほんの少し可能性が高いだけだということです。
表現を変えれば、
「相場の世界では、どんなに緻密な戦略のもとに取ったポジションも、その勝ち負けは常にランダムに分布する」
ということです。
なぜならトレードは確率のゲームだからです。
確率には分散という避けられない力が働く以上、どんなに優れたトレーダーも、一流のアナリストも、一定の確率で必ず予想を外す。そういう「ゲーム」なんです。
だから、この「FXという確率のゲーム」に、一時的に負けること自体に、実はなんの意味もありません。
トップレベルの技術を持ったトレーダーでもしょっちゅう損切りする一方で、今日トレードを始めた初心者が勝ってしまう、FXなんてしょせんその程度のゲームなんです!
だから、相場の読みが外れたからといって、これっぽちも気にする必要はないんです!
ましてや、「自分は間違いを犯した、失敗してしまった」などと、自分を責める必要なんて、一切ありません!
だから、含み損を抱えて危険な状態になったポジションなんて、さっさと切り捨ててしまいましょう!
あなたがポジションを取ったあと、相場が不利な方向に動いたのはあくまで結果です。
その時に大切なのは、負けを受け入れ、小さな損失額のうちにさっさとそのトレードから撤退することです。
そして、「小さな負け」を何度も何度も繰り返していくうちに、小さな負けになんの意味もないこと、トレードというゲームに含まれる大した意味もないひとつの要素、そんな風に思えるようになるはずです。
実際に僕がそうやって、ポジションを損切る際の心の葛藤から解放されました。だからこそ、そう断言できます。
自分がポジションを取ったあと、
「相場が上に行こうが下に行こうが自分の知ったことではない」
「自分はただ、適切なところで利益を確定し、適切なところで損切りをする」
そんな風に思えること。これこそが、僕が目指すトレーダーのあるべき姿です。
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