僕がFXのスイングトレードをやめてから、もう何年も経つので、改めてFXにスイングトレードが適さない理由を思い出すのに、ちょっと時間がかかりました。
それぐらい、僕の中では、
「FXではポジションを持ったままオーバーナイトしない」というのが「鉄則」となっています。
オーバーナイトというのは、夜を超えるということなので、つまりスイングトレードのことです。
僕は、過去にこのトレード手法を採用して、何度も痛い目にあってきたことから「肌感覚」として、FXにおけるスイングトレードの危険性を感じていますし、また、データ的にも、僕の場合はスイングトレードだと明らかに勝率が下がるんです。
FXにスイングトレードが適さない理由は、ニューヨーク時間をまたぐことで相場の流れが変わってしまうから
僕がFXにスイングトレードが適さないと思う最大の理由がこれですね。
つまり、「ニューヨーク時間をまたぐことで相場の流れが変わってしまう」ことです。
以前、「東京・ロンドン・ニューヨーク。彼らの手口とは?」という記事でも書きましたけど、為替市場では、「東京時間」「欧州時間」「米国時間」と、24時間のうちに取引の主体が変わっていきます。
で、それぞれの時間帯には、それぞれの値動きの特徴があるんです。
その中でも、アメリカが取引の中心となる日本の深夜の時間帯は要注意で、世界経済に直接影響を及ぼす指標発表や要人発言が毎日のようにあります。
そこで市場が予想してなかった指標の数値や、要人の発言があると、それまでの相場の流れが一変してしまいます。
例えば、東京時間と、それに続く欧州時間では緩やかなドル高基調だった相場が、米国時間のある指標発表を境に、一気にドル安に向かうといったことがしょっちゅうあります。
せっかく、東京時間に取ったポジションがたっぷり含み益を抱えていたのに、ニューヨーク時間に入ったとたん、「相場の急変によって、その含み益が一瞬で吹き飛ばされる」、といったことが過去に何度もありました。
アメリカ時間に発表される重要指標や要人発言の内容については、僕たちトレーダーはまったく予想することが出来ません。
予想出来ないことに対して、ポジションを取ったり、持っているポジションを放置したりするのは、ギャンブルといっていい行為です。
ギャンブルではFXは勝てません。
なので、僕はFXでは翌日にポジションを持ち越すスイングトレードはしないようにしています。
重要指標や要人発言の前には、チャートの理論は通用しない
「トレード日記」を見てくれている人はご存知のように、僕はエントリーするときも、また持っているポジションを決済するときも、必ず「チャート上の理論」に則って行動を決めています。
その理由は、感情にまかせたトレードを排除するためです。
トレードという行為が、そもそも人間の本能とは逆のことをしないと勝てないように出来ている以上、感情をいかに排除できるかが、勝つための鍵となります。
そのために、僕がもっとも感情を抑えてトレードできる方法が、「チャート上の理論のみに従って行動する」ということだったんです。
この手法が、僕を勝ち組トレーダーに仲間入りさせてくれました。
重要なことなので、もう一度言います。
僕は、「チャート上の理論のみに従って行動する」ようになって、ようやくFXで勝てるようになりました。
ところが、アメリカ時間に発表される重要指標や要人発言のインパクトは、チャートの論理などまったく無視して、暴力的なほど為替レートを上あるいは下に振り回してしまいます。
このような、ニュースに振り回される相場では、チャートの理論が通用しません。
これでは、僕のようにチャートの理論のみを判断材料にしてトレードするトレーダーにとっては、なにを根拠にトレードすればいいのか、もう完全にお手上げ状態になってしまうんです。
為替市場が富を生み出さないことも、FXにスイングトレードが適さないと思う理由のひとつ
念のため追記しておくと、この項のタイトルを「僕がFXにスイングトレードが適さないと思う理由」としたのは、あくまで「FXにおいてはスイングトレードが適さない」ということで、別のマーケットや金融商品の場合は、スイングトレードをすることもあります。
別のマーケットや金融商品というのは、例えば、現物株や、SPDRS&P500などです。
僕はこれらを「資産として長期投資の対象」と捉えているので、大きく下がったときには買うようにしています。
買ったあとは、基本的には「ガチホ」です。が、大きく下がったあとの反動で急伸することもよくあって、そういった場合は「一部を利食う」ことにしています。
その結果としてスイングトレードのようになることがあります。
僕が、FXとその他のマーケットで「短期トレード」と「長期投資」という、使い分けをしている理由は、
株式市場が「富を生み出す市場」なのに対して、FXの為替市場は「富の移転」でしかない
という特性があるからです。
つまり、株式市場では、投資した資金が、企業の活動によって(基本的に)増幅される一方、為替市場ではトレーダーの資金は、別のトレーダーの元に移動するだけで、市場に流入した金額自体は変わりません。
僕がFXを短期トレードの対象とのみ捉えているのは、このようにFX市場が富を生み出さないことが理由です。
スイングトレードは、あくまで「長めに持つ」だけで、長期投資ではなく短期投資だと思いますが、それでも為替市場自体に富を生み出す機能がない以上、やはり株式市場ほどには「長期でポジションを保有する」メリットはありません。
以上のような「大前提」があることも、僕がFXではスイングトレードではなく、スキャルピングやデイトレードで「利益をさっさと利食う」ようにしている理由です。
最後に、スイングトレードのメリットとデメリットをいくつか挙げてみましょう。
【スイングトレードのメリット】
- 当たればpipsが稼げる
- モニターに張り付く必要がない
【スイングトレードのデメリット】
- ロスカットの金額が大きくなりがち
- ニューヨーク時間をまたぐことで相場の流れが変わってしまう
- レートの予想精度が下がる
- ギャンブル性が高くなる
例えば、過去に「トレード日記」で「ニューヨーク時間のドル円で大きめに稼いだけど…」というトレードをご紹介しましたけど、あのときは「かなり勘に頼ったトレード」で、僕が本来得意としているチャートの理論に則ったトレードではありませんでした。
なので、ただ運がよかっただけの「おすすめ出来ないトレード」です。
基本的にスイングトレードというのは運に大きく左右されるもので、当たれば大きく稼げますが、外れると大損切りにつながってしまいます。
このケースでは、結果的にはスイングトレードで大きめの利益を稼ぐことが出来たわけですが、やはり「ギャンブル的だった」との反省から、これ以降はスイングトレードを控えるようにしています。
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