いきなり本番はキケン!まずはデモトレードで練習しましょう

FXは、初心者には都合のいいことに、デモ口座という仮想の口座でトレードの練習をすることが出来ます。

トレーディングツールは各FX業者によってさまざまですが、リアル口座とまったく同じ環境でトレードの練習をすることが出来ます。
違うのは、実際にFX業者あるいはインターバンク市場に注文が入らないということだけです。

FX初心者はもちろん、株の経験者もデモトレードから始めるべき

株の経験がある人も含めて、FX初心者の方は、実戦の前に必ずデモ口座でFXがどういうものかということを体験してみてください。

というのは、僕自身はFXデビューをいきなりリアル口座でスタートしたんですが、初っ端から手痛いダメージを負ってしまったからです。
僕はFXを始める前に、株の経験が10年近くあり、なおかつ先物取引の会社で働いていたこともあって、マーケットというものを分かっていたつもりでいたんです。

株に関しては、大勝ちはできないまでも、少なくともマイナスになることはなかったので、FXでもきっと負けることはない、とタカをくくっていました。

ところが、トレードを始めた直後から、まぁ、負けること負けること…。
当初80万円で始めた資金が、数週間で50万円にまであっという間に溶けてしまいました。

株では少しは勝ててたのに、なんで?
と、自分でも不思議でした。

でも、考えてみれば当然なんですよね。
株もFXも、どちらも人がお金を掛けて他の誰かから奪い取るゲームなので、もちろん共通点はかなりあります。

でも、株には株の特徴があるように、FXにはFX独特の値動きのクセがあって、株の感覚をそのままFXの世界に持ち込んでもなかなか通用するものではないんです。

あっという間に30万円を失った僕は、改めてデモ口座を開設し、FXのトレーニングに励むことにしました。

FXのデモトレードで勝ちまくる日々

FXのデモトレードで勝ちまくる日々

FXに対する自分の無知ささえ気付かずに大金をを失ってしまった反省から、

「デモ口座でコンスタントに勝てるようになるまで、しばらく修行しよう」

と決意し、いよいよ真剣にFXに取り組むこととなりました。

いざ、デモ口座でFXを始めてみると、これが意外にもすぐに勝つことが出来るようになりました。
そこはやはり株でチャートの読み方の基礎ができていたことが大きかったように思います。

株とFXの相違点に注意をしつつ、一方で同じように機能するチャート上のポイントを見つけるように心掛けました。

株でもFXでも同じように非常に大切なのは、直近の高値と安値を基に引いた水平線です。
水平線は、現在のレートから過去にさかのぼり、高値があればその高値に、安値があればその安値に水平の線を引きます。

水平線は、サポート・レジスタンス・ラインとも呼ばれ、その名の通り支持(サポート)にもなれば抵抗(レジスタンス)にもなるラインです。

株価も為替レートも、おおむねこのサポート・レジスタンス・ラインの中で推移します。
この点は、株、為替などどのマーケットであろうと変わりません。

それから、移動平均線も同じように機能します。

移動平均線を何本使うかとか、値(あたい)をいくらにするかは、それほどこだわる必要はないかと思います。

重要なのは、その移動平均線にレートが達したら、だいたい一度は失速したり、場合によっては反転したり、とにかく「何らかの反応」を示すことがほとんどだということを認識することです。
そして、その反応度は、時間の長い移動平均線ほど顕著だということも株と同じです。

一方、FX特有のものとしては、「レートが忙しく上下に振幅する」という特徴があります。
株の経験の長い人にとっては、FXの値動きがきっと「速い!」と感じることでしょう。
特に1分足では、そのように感じると思います。

また、上もしくは下に「走り出した」と思ったレートが、直後に「戻ってくる」ことが多いのも特徴です。

例えば、買いエントリーした直後にレートが上昇していき、「もう大丈夫だ」と思ってストップ(逆指値注文)を買値のすぐ上に設定すると、かなりの確率でレートが買値まで戻って来てストップに掛かってしまいます。
この確率は明らかに株より高いと思います。

この「現象」は、悪い面もあれば良い面もあります。
悪い面は上記のように、勝ったと思っていたら「チャラ逃げ」させられてしまうこと。
逆に良い面は、間違ったポジションを取ってしまった場合でも、一度ぐらいはレートが戻って来てくれるので、損切せずに「チャラ逃げ」するチャンスが増える、ということです。

これらの特徴を踏まえると、エントリーとエグジットのポイントをリスクリワードを基に判断できますし、ナンピンしていいポイントやドテンすべきポイントも想定しながらトレードすることが可能になります。
これだけでもかなり勝率は上がるでしょう。

他にもいろいろと大事な点はありますが、デモトレードを毎日続けることで、FX特有の値動きを肌感覚で感じられるようになり、大勝ちは出来ないまでも、少なくとも負けない戦いはすぐに出来るようになるかと思います

ただし、デモ口座で勝てるようになったからといって、慢心してはいけません。
まだ、あくまでデモトレードで勝てているだけで、実際に現金を使ったリアルトレードで勝てるようになったわけではないからです。

FXのデモトレードはブルペンのようなもの

デモトレードはブルペンのようなもの

僕はデモトレードとリアルトレードの違いを、よく野球のブルペンと実戦のマウンドに例えて説明しています。

ブルペンでは素晴らしい球を投げ込むピッチャーが、いざ本番のマウンドに上がると、プレッシャーからその投手本来の投球が出来ずに自ら崩れていくことがあります。

ピッチャーもそうですが、われわれトレーダーも、プレッシャーの中で常に静かな心を保ち、ただ「正しいこと」のみを行わなければなりません。

ところが、この簡単に思えることが、デモトレードでは出来てもリアルトレードでは急に難しいことに見えてくるんです。

1カ月間、デモトレードで毎日勝ち続けていた僕は、「遂に勝てるようになった」と自信満々、勢い勇んでリアルトレードに復帰しました。

リアルトレードに戻ってからは、デモトレードで練習してきた感覚のまま、リアル口座でも連勝スタートを切ることができました。
この頃の僕の高揚感は、今でもハッキリ覚えています。
まるで、もう自分の将来は安泰で、明かるい未来が待っているかのように思っていました。

しかし、月並みな表現ですが、世の中そんなに甘くないです。

ある日、一度やや大き目の負けを喫しました。
この一回の負けが、絶好調だったはずの僕のトレードを一気にガタガタに崩してしまいます。

この日から、僕はデモトレードで出来ていたトレードが、リアルトレードでは出来なくなってしまったんです。
これは技術の問題でも知識の問題でもありません。
技術も知識も以前となんら変わってないからです。や、むしろそれらは日々上達していました。

なのに、リアルトレードでは勝てないんです。

なぜか?
その答えは、恐怖心です。

恐怖心を持ったままトレードをすると、論理的な判断が出来なくなる【つまりギャンブルしてるのと同じ状態】

恐怖心を持ったままトレードをすると、論理的な判断が出来なくなる【つまりギャンブルしてるのと同じ状態】

デモトレードでは感じることのなかったお金を失うことへの恐怖心が、リアルトレードでは文字通り現実問題として、自分に襲い掛かってくるんです!

一度大金を失った恐怖から、僕は理論通りのトレードが急に出来なくなってしまいました。

恐怖心を持ったままトレードに臨んだトレーダーが、具体的にどういった行動をするかというと、一番顕著なのは、ポジションを長く持てなくなることです。
怖くて持っていられないんです。

これは、含み損の場合だけではなく、含み益の場合でも同じです。
今持っている含み益が、「いつマイナスになってもおかしくない」、という恐怖心は、むしろ含み損の状態よりも深刻かもしれません。

マイナスが少々大きくなろうと小さくなろうと、マイナスであることに変わりありませんが、プラスのものがマイナスになる恐怖は、負けたトレードが脳裏に焼き付いているトレーダーには、強烈なものがるからです。

その結果、持っていれば伸びる可能性の高い局面でもさっさと利食ってしまいます。
一方で、損失は確定することへの抵抗感から判断が遅れぎみになり、典型的な「損大利小」を実現してしまいます

この状態では、いくら技術と知識があろうと、あるいは相場が良かったとしても、勝てません。

多くの勝てないでいるトレーダーは、技術や知識の不足以上に、おおむねこのような心理面の問題が原因となって、勝てずにいることがほとんどです。

僕がこのサイトで、トレードの心理面について書き続けているのは、こういった問題に気付かずに悩んでいる人と、自分自身に対する戒めの為です。

トレーダーに大切なのは過信ではない自信

トレーダーに大切なのは過信ではない自信

トレーダーは、勝つ為に技術と知識、そして心の強さを身に付けなければなりません。
心の強さを身に付けるには、自信を持つことが必要です。
そして、自信を持つ為には小さな成功体験を積み重ねていくことが不可欠です。

その為にはまず、デモトレードで勝ち続けられるまでトレーニングし、その後にようやくリアル口座で少額のトレードを試してください。
少額であれば、比較的デモトレードに近い感覚で、自分のトレードができるはず
です。

そして、小さな成功体験を重ねていってください。
毎日毎日、愚直に同じことを積み重ねていってください(相場の悪い時は避けるように!)。

そうすれば、あなたの心にも身体にも、正しいトレードの心構えと手法が身についていきます。
そうして得たものが、あなたの本当の技術であり実力です。

決して平たんな道ではないでしょう。
でも、わたしたちトレーダーは、その困難な道を自ら選んで進んだ者たちです。

人と違う道を行くには、努力という代償が必要です。
苦しい時は、「あと一歩、成功はほんのあと一歩先に、ひっそり横たわっているかもしれない」そう思ってみてください。

苦難を乗り越える覚悟があるのなら、成功を目指して愚直に日々努力を捧げましょう。

僕もこのサイトで、文字を通して伝えられる限りのことをみなさんに伝えていきたいと思っています。

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麦 恵成(バク ケイセイ)
名前:麦 恵成(バク ケイセイ)
生年月日:1970年11月8日
出身:兵庫県神戸市
職業:FXトレーダー兼ファイナンシャルプランナー。元先物取引会社勤務。現(株)エンスージアズム代表取締役。
自己紹介:トレーダー歴はトータルで約20年になります。
主戦場は為替。他にダウ先物・225先物・原油先物など。
現物株は高配当銘柄の長期投資中心。少しだけ新興市場のグロース株も。
Twitter:https://twitter.com/BakuKeisei

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